進化論はイギリス人、ダーウィンによって提唱されたとされています。医学的研究では動物実験が盛んに行われ、臨床に応用されています。これは動物から進化した結果として、人間が存在すると言う、厳然たる事実に基づいていることは明白です。他方、キリスト教の影響の強いアメリカ合衆国、特に中南部辺りでは、キリスト教の影響の元に、人間は神が創りたもうた、と言う思想が濃厚である印象を受けます。猿から進化したのが人間であるとする進化論を受け入れ難い、信仰心の高い方々が存在するのも事実だと思います。最近は、インテリジェントデザインなる言葉を耳にするようになりました。インテリジェントデザインは、進化論は事実として受け入れるが、その上位に、人智では到達不可能な、「ある種の神とでも呼びたくなるほどの知性の存在」を主張されていると、見受けられます。キリスト教の影響力が比較的弱そうな日本では、進化論とインテリジェントデザインの論争めいた話題は、あまりポピュラーではない様子です。精神医療の第一線の現場で、長年、医師として従業している立場から、個人的にあえて発言します。即ち、正常、異常などの言葉を含めて、人間の活動は、出自不明の中枢神経を与えられ、訳の判らない特別に巨大な舞台でダンスしているみたいに映る、となります。当院は、言うまでもなく、医学、科学、に基づいて運営されています。一切の宗教や、政治的思想とは距離を置いています。